腓骨神経麻痺について

腓骨神経麻痺

【腓骨神経麻痺の概要】

腓骨神経は膝から足首までの外側から前面にかけて走っている神経です。この神経は骨の上や皮膚の直下など、圧迫を受けやすい場所にあるために、圧迫や外部からの損傷で容易に麻痺が生じます。

腓骨神経が麻痺すると、下腿外側から足の甲にかけてのしびれや、感覚が鈍くなるなどの症状が現れます。

また下垂足という、足首や足指を上げることができない状態に進行することもあります。

家の中で敷居につまづく、サンダルがすぐに脱げるなどの症状が頻繁であれば、下垂足になっている可能性が高いでしょう。

【腓骨神経麻痺の原因】

腓骨神経痛が生じる原因として最も多いのが、外部からの圧迫によるものです。無意識に足を組む姿勢が多い、草むしりのように膝を曲げた姿勢を長くとっている、硬い床の上に横向きに寝ているなどのことで神経が圧迫されてしまいます。

ゴムのきついハイソックスや着圧ソックスによる圧迫も、神経が阻害される要因となります。

また骨折や打撲といった外傷、切り傷などの外的な要因や、ギブスの着用による圧迫、リウマチや糖尿病などの疾患が原因となって症状が出る場合もあります。

【腓骨神経麻痺の症状】

腓骨神経麻痺の症状には、しびれなどの感覚異常を感じる感覚障害と、足首が曲げられなくなる運動障害があります。

感覚障害

すねの外側から足の甲にかけて、感覚が鈍くなったりしびれや痛みなどが起こります。歩くとしびれが強くなり、歩けなくなることもあります。

運動障害

関節の運動に麻痺が出るため、足首や足指を上に上げることが難しくなります。つま先があげられない、足首が垂れ下がり下垂足になるなど、日常生活にも支障が出るようになります。

【腓骨神経麻痺の治療】

腓骨神経麻痺の治療には、安静にして回復を待つ保存的療法と、手術で原因を除去する外科的療法があります。

保存的療法

麻痺の原因となっている習慣や原因を取り除いて安静にし、ビタミン剤や内服薬の服用、運動療法などを行いながら回復を待ちます。

下垂足で歩きづらい場合は、サポーターや装具を利用して状態の改善をはかります。

外科的療法

重症の神経麻痺で症状が進行する場合や、保存療法で回復が見られない場合には、手術が適用されることもあります。

局所麻酔で神経を圧迫している原因を取り除き、神経の縫合や剥離、移植などを状況によって行います。

【腓骨神経麻痺の予防と治療後の注意】

腓骨神経麻痺は、重症の場合を除きほとんどが生活習慣の改善で予防や回復が見込めます。神経を圧迫する行動を避け、きついソックスや着圧ストッキングの着用はやめましょう。

アキレス腱を中心にストレッチをして、足関節の柔軟性を保っておくことも有効な対策です。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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