ランニングでひざが痛くなってしまったら

ランニングでひざが痛くなってしまったら

ダイエットや運動不足の解消に、毎日走っているという方も多いと思います。ランニングは老若男女に関わらず、誰にでもできる有酸素運動ですし、一人でできるのも気軽でいいですね。でもランニングのためにひざが痛くなってしまっては、まさに本末転倒です。

今回はそんな、ランニングとひざ痛に関するお話をお届けします。

ランニングでひざが痛くなったら

脂肪燃焼や筋力アップ、ストレス解消などさまざまなメリットが得られるランニングは、思い立ったときにすぐに始められるのも大きな魅力ですよね。ところがランニングを始めた多くの人が、最初にひざを傷めてしまうと言います。

ランニングを始めたばかりの初心者に起こりやすいのが、腸脛靱帯炎(ランナーズ・ニー)と呼ばれるひざの痛みです。ひざに強い衝撃が繰り返しダイレクトにかかるため起きる、ひざトラブルの一つです。

初心者ランナーに起こりやすいと言われるのは、走るための筋力の不足やフォームの悪さなどが原因となって、ひざに故障が出てしまうからです。

ここで一点、注意していただきたいことがあります。それは中高年の方がランニングをしてひざが痛くなったとき、最も多い原因は変形性膝関節症だということです。もしそうであれば、無理にランニングを続けることは危険ですので、必ず整形外科を受診して診断を受けるようにしてくださいね。

変形性膝関節症ではないとわかったら、痛みを解消するのに役立つ、次のようなストレッチを行っていきましょう。

その1.ひざの外側の痛みに効くストレッチ

太ももの外側にある大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が緊張すると、ひざの外側にある靭帯に負荷がかかって、ひざの外側が痛みやすくなります。この部分をストレッチするには、

①.まず両足をそろえて立ちます。

②.片足を大きく軸足の後ろにクロスするように引いて、足の甲を床につけます。

③.その状態で両手を軸足のひざに重ね、後ろ脚に体重をかけるようにして30秒間キープします。

その2.ひざの内側の痛みに効くストレッチ

太ももの内側の柔軟性が低いと、腱に無理がかかってひざの内側が痛くなります。この部分をストレッチするには

①.まず床に膝立ちします。

②.片足を真横に伸ばして足の内側を床につけ、この状態で30秒間キープします。

その3.お皿周辺の痛みに効くストレッチ

太ももの前側の大腿四頭筋が緊張していると、ひざのお皿周辺に痛みが出やすくなります。この部分をストレッチするには、

①.両足を伸ばして床に座ります。
②.片方のひざを後ろ側に曲げます。両手を後ろについて支えながら、ゆっくりと体を後ろに倒していきます。

※痛みが出ないように注意しながら倒したら、そのまま30秒間キープします。このときお尻が浮かないようにしましょう。

※どのストレッチも片方の足が終わったら、もう反対側の足も同じように行ってください。また体が曲がっていると効果が出ませんので、上半身から腰にかけてまっすぐに保つように注意してください。

両足30秒ずつを1セットとして、1日3セットから5セットずつ続けてみてくださいね。また腸脛靭帯炎の治療には超音波や電気刺激療法も効果があるとされていますので、こうした物理療法も試してみてはいかがでしょうか。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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