ショウガで体の中からぽかぽかに

ショウガで体の中からぽかぽかに

薬味や香辛料としてお料理で活躍してくれる生姜は、漢方薬や民間療法にも用いられるほど、健康をサポートする成分に恵まれた食材でもあります。
そんな生姜の辛味成分には、変形性膝関節症の痛みを軽減する効果があるということもわかってきました。
今回はそんな、生姜のもつ力と上手に摂る方法についてのお話をお届けします。

ウルトラ蒸し生姜でひざ痛改善を

冬になるとドラッグストアやスーパーの棚に、しょうが湯が並んでいるのを目にする機会が増えますね。風邪をひいたらしょうが湯を飲んで体を温めるという方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

それは生姜の持つ、体をあたためて代謝を上げたり発汗を促すという成分が、冬に大活躍してくれるからです。
生姜にはジンゲロールショウガオールジンゲロンという辛味成分が含まれていますが、これらの成分には血行を促進し、代謝を上げる働きがあります。
そのため関節の痛みを軽減するのに、良い影響を与えると言われています。

ところがそれとは別に、生姜にはひざなどの痛みを減少させる効果もあるということがわかってきました。

生姜の抗炎症作用成分 【ジンゲロール】

辛味成分の一つであるジンゲロールには、抗炎症作用があり、それがひざの痛みを軽減するのではないかと考えられているのです。
マイアミ大学が行った実験や、2014年の国際変形性関節症学会で、ショウガエキスの摂取によって、変形性膝関節症の痛みが軽くなる効果が高いことが報告されています。

また変形性膝関節症では炎症を放置しておくと、軟骨のすり減りが進んで痛みが悪化していきますが、生姜の炎症を抑える薬効により、それを防ぐこともできるということです。

でもこうした結果を得るためには、1日に60gの生姜を毎日食べなければなりません。これは生姜のかたまりほぼ1個程度に相当しますので、大変というよりはほぼ無理でしょう。

そこで試してみたいのが、生姜を蒸して乾燥させる「ウルトラ蒸しショウガ」です。

生姜は生のまま食べるのと加熱するのでは効果がまったく変わります。体を芯からあたためて、抗炎症作用によるひざ痛の改善を目的にするのであれば、乾燥生姜が向いています。乾燥生姜は冷えを改善する効果から、古くより漢方薬にも使われてきたそうです。

「ウルトラ蒸しショウガ」の作り方

①.まず生姜を良く洗って皮がついたまま薄くスライスし、キッチンペーパーを敷いた耐熱皿に並べます。皮のすぐ裏に辛味成分があるので、皮はむかないでください。

②.2~3センチほど水を張ったフライパンにショウガを並べた耐熱皿を置き、フタをして弱火で30分ほど蒸します。

③.次に蒸しあがった生姜を、100度に熱したオーブンで1時間乾燥させます。天日で干しても大丈夫です。

④.生姜が乾燥したら、ミキサーやすり鉢で粉末状にします。

【完成】容器に入れて3ヶ月は常温保存できますので、これを毎日飲み物に入れるなどして摂るようにするといいでしょう。乾燥した生姜なら、1日6gを摂れば効果があるそうです。

また同じ生姜でも金時生姜には普通の生姜の4倍含まれていますので、金時生姜で作るとさらに効果があるかもしれませんね。

体を温めて代謝を上げ、鎮痛効果や炎症改善効果も期待できる「ウルトラ蒸しショウガ」。ひざ痛にお悩みの方は、ぜひ試してみてください。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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