ランナー膝

ランナー膝

【ランナー膝の概要】

ランナー膝、別名腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、その名の通りランナーに発生しやすいスポーツ障害です。最初はランニング中に膝の外側に痛みを感じるようになり、次第に運動を終えた後でも痛みが残るようになります。

腸脛靭帯という太ももの外側にある大きな靭帯が、膝の曲げ伸ばしに伴って大腿骨の外側の大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)の上を前後しますが、膝の屈伸が過剰になるとその部分に過度の摩擦が生じて炎症を起こします。

ランナーの膝関節の故障の代表格として知られていますが、サイクリング、登山、バスケットボールなど、膝関節に負担がかかりやすい運動をしている人たちにも多く見られます。

【ランナー膝の原因】

ランナー膝の原因は膝関節の使い過ぎです。レースへの参加頻度が高くなったり、走る距離を増やしたり、または初心者ランナーがフォームが崩れた状態で長距離を走ったりといったときに発症しやすくなります。

また筋力不足、筋肉の柔軟性の低下、ウォーミングアップ不足などの他、シューズの選び方の間違いや、下肢アライメント(O脚・X脚・脛骨内反など)、硬い地面や下り坂なども要因と考えられています。

【ランナー膝の症状】

主な症状は膝関節の外側の圧痛、腫れ、熱感などです。靭帯の走行に沿ってズキズキと痛むことが多く、ランニング中に足を地面につけたときや、坂道を下るときなどに痛みを感じるようになります。

初期は安静にすると痛みが引きますが、我慢して走り続けていると次第に悪化して症状が慢性的になり、運動をしていない時でも痛むようになります。

【ランナー膝の治療】

ランナー膝の原因は膝関節の使い過ぎですから、症状が出たらまずは安静にして炎症を起こしている部分を徹底的にアイシングします。

痛みがひどいときは消炎鎮痛剤などを使いながら症状が落ち着くのを待つ保存療法が基本で、手術治療はほとんどの場合行いません。発症初期の段階で無理をせず、適切な期間の休養を取ることが慢性化させないために大切です。

また腸脛靭帯がつながっている大腿筋膜張筋と大殿筋をストレッチしてしっかりとほぐし、筋肉の柔軟性を高めるようにします。

【ランナー膝の予防と治療後の注意】

ランナー膝を予防するには、お尻の筋肉の中殿筋や膝の前面の筋肉(内側広筋)を中心に筋肉を鍛えて強くすることや、ランニングフォームの改善、下肢アライメントやシューズの見直しなどを行い、膝への負担を減らすことです。

休養のあとでランニングを開始するときは、念入りなウォーミングアップはもちろん、芝生や土などの柔らかい地面を走る、下り坂は避けるといった、再発しないための対策を取るようにしましょう。また負担を和らげるためのインソールやテーピング、サポーターなどを利用するのも効果があります。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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