あなたの腰痛は4種類のどれに当てはまる？

腰痛を感じる方は、老若男女を問わず多くいますが、そのほとんどが「原因不明」の腰の痛みに悩まされています。

病院に行っても「対症療法のみで、根治に向けた治療が行われない」というケースは珍しくありませんが、そもそも「根本的に治らないこと」を前提として、前向きに腰痛と向き合っていこうという気持ちになるでしょうか？

腰痛への効果的対処の第一歩は、「なぜ腰痛が起こるのか」を明らかにすることにあります。

このページでは、なぜ皆さんが腰に痛みを感じるのかを探るべく、原因不明と言われる腰痛の種類について解説します。

腰痛の85％が「原因不明」

原因不明の腰痛の種類について解説する前に、「なぜ痛みが生じるのか」がはっきりしない腰痛に悩まされる方の多さについてお話ししておきましょう。

腰痛といえば、日本人が抱える自覚症状で最も多い症状とも言われるほどですが、全腰痛の85％が実に「原因不明」とされています。

なぜ痛くなるのか分からないからこそ、腰痛が厄介な存在と言えるわけです。

逆に言えば、原因を特定できる腰痛は実に全体の15%程で、腰椎圧迫骨折、脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛等があります。

これらは原因が明らかであるため、治療や手術で症状を改善させることが可能です。

原因不明の腰痛　4つの種類

全腰痛の大半を占める「原因不明」の痛みですが、実際には完全に未知の世界というわけではなく、症状別にざっくり4種類に区分できます。

具体的には、「筋性腰痛」「前屈腰」「のけぞり腰痛」「お尻腰痛」があります。

筋性腰痛

筋性腰痛とはつまり「筋肉痛」のような症状で、筋肉の炎症によって生じる痛みです。

筋性腰痛を発症するのは肉体労働者だけでなく、最近ではデスクワークに従事する人の中にも増えており、原因不明の腰痛の10%が筋性腰痛を患っています。

筋肉痛同様、炎症を抑えることで痛みを和らげることができます。

前屈腰痛

物を拾うような前かがみの体勢になった際に痛みを感じる場合、前屈腰痛の可能性があります。

前屈腰痛は、背骨の椎骨と椎骨の間にある「椎間板」が圧迫された時に症状が出る腰痛で、原因不明の腰痛の40%がこれにあたると言われています。

この場合、ストレッチによって腰の筋肉をほぐすことで症状が緩和します。

のけぞり腰痛

前屈腰痛とは反対に、身体をのけぞった状態にした際に生じる腰痛は、のけぞり腰痛と言います。

具体的には、電車のつり革を持つ、洗濯物を干す、赤ちゃんを抱っこする等の体勢がこれにあたり、背骨の後ろ側にある椎間関節がぶつかることで痛みが生じます。

のけぞり腰痛も前屈腰痛同様、原因不明の腰痛の40%がこれにあたると言われており、身体を反りがち＝腹筋の弱い女性を中心に悩みのタネとなっている方も多いようです。

前屈腰痛同様、ストレッチでの症状改善が見込まれます。

お尻腰痛

これまで解説してきた3種類の腰痛の他、お尻の近くにある仙骨のつけ根の歪みや炎症によって生じるお尻腰痛というものもあります。

お尻腰痛は原因不明の腰痛の10％を占め、妊娠中に分泌されるホルモンの作用で緩んだ仙腸関節の靭帯が、出産後に正常に戻らないことが原因となるため、女性に多くみられる症状です。

自分がどの腰痛か知るのが大事

原因不明と言われる腰痛にも、様々なタイプがあります。

「自分はこのタイプかな」と思われる腰痛を正しく知り、適切な対処を講じられるのが理想的ですね。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮