腰痛はうつやストレスなど心が原因の場合も!?

腰痛(ようつう)

3ヵ月以上続く腰の痛みや違和感は「慢性腰痛」と言われますが、日本人の中には老若男女を問わず、この慢性腰痛に悩まされている方は多くいらっしゃるようです。

慢性腰痛の厄介なところは、「原因の特定が難しい」ことにあります。

慢性腰痛の背景には、腰部自体のトラブルの他、うつ病やストレスといった精神的な問題が潜んでいる場合もあるため、痛みの改善には適切な見極めが必要になります。

うつ病やストレスによる慢性腰痛はなぜ起こる?


腰痛とうつ病、ストレスといっても、あまり結びつかないと感じる方も多いかもしれません。

ところが、身体のあらゆる部分の痛みは、心の状態、不安やストレスによって弱まったり強まったりすることが分かっており、慢性腰痛にも例外なく同じことが言えます。

慢性的な腰痛の背景にある「ドーパミン不足」

痛みを感じるサイクルには、脳の働きが大いに関わっており、通常、痛みの信号が脳に伝わると、脳からはドーパミンが放出され、これによりμオピオイド、セロトニン、ノルアドレナリン等の物質の放出が順に促されます。

痛みの信号を脳に伝える経路は、直接的にはセロトニンやノルアドレナリンの作用により遮断されますが、大前提として「ドーパミンが正常に放出されること」が不可欠です。

ところが、ストレスや不安、うつ等は、ドーパミンの放出に支障をきたし、結果的に痛みが感じられる状態が継続することになります。

これが、うつ病やストレスによる慢性腰痛のメカニズムです。

うつ病やストレスによる慢性腰痛は特に長引きやすい

精神的な問題に起因する慢性腰痛の問題点は、「悪循環の起きやすさ」にあります。

心の問題に起因して慢性腰痛が生じているにも関わらず、原因を無視した治療を繰り返すことで、「効果の出ない治療への不満増大⇒ストレスや不安が大きく膨らむ⇒ドーパミン不足が解消されない」という悪循環を断ち切ることが難しくなります。

うつ病やストレスによる慢性腰痛の治療には、根本治療が不可欠


このように、精神的な問題による慢性腰痛の治療には、大前提としてうつ病やストレスへのアプローチが不可欠となることは言うまでもありません。

心の問題は根治が難しく、症状によっては専門医の指導の下、薬物治療が必要となりますが、まずは日常生活の中で講じられる工夫に目を向けることから始めましょう。

「思考の転換」を心がける

ストレスや不安を感じやすい方は、妥協できない生真面目な性格である場合が多いようです。

考え方を変えてみることで、現状に対する過度なストレスや不安の軽減につながることがあります。

例えば、「0か100か」ではなく「ほどほどでも問題ない」、「今日も腰が痛くて仕事にならない」ではなく「腰が痛くてもこれだけの仕事に取り組めた」というように、プラスの面に目を向けるようにすると、日常がぐんと過ごしやすくなるはずです。

積極的に「楽しい」を感じる

腰痛があるとそれだけで気分が沈み、ストレスを感じやすくなります。

だからこそ、極力、痛み以外のこと、楽しさが感じられたり前向きになれたりすることを考えようにすることも大切です。

趣味のこと、お出かけのこと等、心がワクワクするならどんなことでも良いと思います。

また、腰痛の程度によりますが、身体を動かすことも前向きさを取り戻す上では有効です。

楽しさが感じられることで脳内ではドパミンの放出が促され、精神的な原因による慢性腰痛の軽減につながる可能性が高まります。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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