腰痛での発熱には要注意!ガンや細菌感染の場合も・・・

腰痛(ようつう)

ひと口に「腰痛」といってもその症状は様々であり、猫背やデスクワークによって生じる「少し重だるいかな」と感じられる程度のものから、安静にしていても常に痛みが感じられるような深刻なものまであります。

本日、解説するのは、「発熱を伴う腰痛」。

腰の痛みと発熱は一見すると無関係のように思われますが、背景にガンや細菌感染が潜んでいる可能性もあるため、併発した場合には注意が必要です。

腰痛と発熱、気になる症状の因果関係は?

腰痛と発熱が症状として表れる病気には、いくつか種類がありますが、そのほとんどが重篤な病気です。

また、腰のあたりの痛みをすべて「腰痛」と決めてかかっている方も少なくありませんが、その痛みが内臓部分から生じている場合、ガンの可能性もあります。

血流感染によって生じる「脊髄硬膜外膿瘍」

脊髄硬膜外膿瘍とは、脊髄硬膜外腔に膿が貯留し、この膿瘍によって神経が圧迫され背中から腰部にかけて痛みが生じる病気です。

外傷や鍼治療、点滴といった医療行為等から化膿を引き起こす菌が血中に入り込み、菌血症からの血行性で発症する病気のため、発熱を伴います。

椎間板や骨に炎症を起こす細菌感染から「化膿性脊椎炎」へ

化膿性脊椎炎とは、細菌感染により椎間板や骨に炎症が起こる疾患です。

肺炎や尿路感染から、細菌が血流にのって脊椎に感染することで発症すると考えられています。

高齢者に多くみられ、悪化すると神経の通り道である脊柱管内に膿がたまり、背骨にダメージを加えて神経の圧迫や麻痺を生じさせます。

主な症状としては、脊髄硬膜外膿瘍同様、背中から腰にかけての激しい痛みと発熱です。

腰痛が、骨へのガン転移のサインであることも

肺ガン、乳ガン、前立腺ガンは、骨への転移がみられやすいガンの典型です。

これらのガンの既往歴のある方、もしくは無自覚であってもガンに罹患している場合は、腰痛が腰椎へのガン転移である可能性があります。

子供の白血病の症状に「腰痛」「発熱」

加えて、あまり多い事例ではありませんが、小さなお子さんに腰痛症状が現れる疾患の中には、白血病等の重篤なケースもあります。

夜間痛がある、排尿障害がある等、腰痛と発熱以外にも気になる症状が併発している場合には、生命を左右する病気が潜んでいるかもしれません。

気になる腰痛と発熱、長引くなら受診を

腰痛と発熱は、いずれも私たちにとってはごく身近な体調不良ですが、これらが同じ時期に生じる場合、深刻な疾患の症状である可能性は否定できません。

いずれにせよ、腰痛も発熱も長期に渡り続いていたり、安静にしているにも関わらず快方に向かわずむしろ悪化したり、他に気になる症状が生じ始めたりした場合には、受診されることをお勧めします。

病気治療には、早めの対応が肝心です。

腰痛と発熱を「いつものこと」甘く考えることのないよう、くれぐれもご注意ください!

免責事項
このサイトは、腰痛に関する情報提供を目的としております。
■ このサイトに記載している内容は、医学的な研究による根拠や証拠に基づいて掲載されていますが、すべての腰痛について効果を保証するものではありません。
■ 腰痛には様々な原因がありますが、まれに重大な病気やケガなどが原因となっている場合があります。万が一そのような病気やケガが発見された場合は、医師の指示に従い、原因となっている病気やケガの治療に専念してください。
■ あらゆる病気やケガの回復には個人差がありますので、効果の保証は致しかねます。ご自身の責任においてご参考ください。
■ またこちらに記載している運動やストレッチ、食事等を参考にしたことで、万一いかなる損害が生じた場合においても、当サイトはその結果に責任を負うものではありません。

【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

関連記事一覧

サイト内検索

カテゴリー一覧