腰痛の85%は原因が不明、それでも注意するべきポイントとは?

腰痛(ようつう)

今や「現代病」と言っても過言ではない腰痛ですが、腰痛でお悩みの方の85%は原因不明の痛みだというから驚きです。

何かはっきりした原因があって、急に腰が痛くなったというなら、痛みに対する対処法がありそうです。

一方で、長期に渡って腰に痛みを感じていて、もはやなぜそうなるのか分からない場合には原因究明が困難であるケースが多く、辛い腰痛が一体いつまで続くのかと悲観的になってしまうのも無理はないでしょう。

ひと口に「腰痛」といっても、あまり心配する必要のないものから、深刻な病気が潜んでいるものまで様々です。

このページでは、「危険な病気の症状として注意すべき腰痛を見極めるポイント」についてご紹介します。

「原因不明の腰痛」と「診断可能な腰痛」

日本整形外科学会の調査によると、腰痛持ちの日本人は推計約3000万人。

冒頭の通り、腰痛を感じる方のほとんどが原因不明と言われています。

こうしたケースでは、受診時に「急性腰痛症」と診断され、痛みを和らげる目的での対症療法(貼り薬や飲み薬)が施されるうちに、1~2週間で半分、2~4週間後には90%の患者が痛みを感じることがなくなるようです。

他方、診断可能な腰痛の種類としては椎間板ヘルニアや脊椎圧迫骨折、脊椎間狭窄症、脊椎すべり症等が挙げられます。

これらは原因を取り除くための治療が施されなければ快方に向かわないため、長期的な治療が必要となります。

危険なのは、腰痛に似た「内臓の痛み」

このように、明確に腰の痛みが原因と分かれば医療機関では何らかの対処が可能となりますが、一方で、実は腰痛ではない腰部及び腹部の痛みには注意しなければなりません。
腰痛に似た痛みが、実は内臓や骨の痛みである場合、「悪性腫瘍」「化膿性脊椎炎」の可能性が高くなります。

ちょっとした腰痛であれば2~4週間後には90%の患者が痛みを感じなくなるまでに回復します。

長期的に腰痛が続く場合には、何らかの深刻な病気の兆候である可能性があるため、一度受診されることをお勧めします。

また、以下のチェックポイントに当てはまる腰の痛みは、経過を注視し、専門医を受診する必要があります。

安静にしていても強くなる痛み

痛みの原因が腰痛であれば、身体を横にして休んでいる状態で強い痛みを感じることはありません。

しかしながら、安静にしていても激しい痛みがある、痛みが日に日に強くなってくるといった場合には、体内に炎症が生じている可能性があり、これは癌や強直性脊椎炎の兆候でもあります。

発熱を伴う痛み

腰痛と共に発熱が続く場合にも、腰痛以外の病気のサインである場合があります。

具体的には、感染した細菌が血流によって脊椎に運ばれることで化膿を生じさせる「化膿性脊椎炎」が挙げられます。

排尿への影響を伴う痛み

頻尿や排尿障害、排尿時の痛み、臀部のしびれを伴う腰痛の場合は注意が必要です。

その場合、腰ではなく、膀胱に何らかの障害が生じている可能性があります。

早めに病院で一度受診されることをお勧めします。

長期間ステロイドを使っている方に生じる痛み

長期間ステロイドを使っている場合、その影響で骨がもろくなり、骨粗鬆症に罹患するリスクが高まります。

この場合、原因不明の腰痛だと思っていた痛みが「圧迫骨折」だったということもありますので、注意が必要です。

現在腰痛に悩んでいて、これらのいずれかの症状に心当たりのある方は、受診し、必要に応じて精密検査を受けられることを勧めします。「たかが腰痛、されど腰痛」ですから、甘く見ることなく、気になる症状にはしっかり対応していきましょう。

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■ 腰痛には様々な原因がありますが、まれに重大な病気やケガなどが原因となっている場合があります。万が一そのような病気やケガが発見された場合は、医師の指示に従い、原因となっている病気やケガの治療に専念してください。
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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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