ひざ痛になったとき、知っておきたい事

ひざ痛になったとき、知っておきたい事

ひざが痛む原因として最も多いと言われる変形性ひざ関節症。年齢の影響やひざに無理負担がかかることで、軟骨がすり減って変形するために起こる痛みと言われています。でも軟骨には神経がないので、痛みの原因はそれ以外にあるということ、ご存知でしたか?

今回はそんな、ひざ痛を感じるようになった時に知っておきたいことについてのお話をお届けします。

ひざが痛むのはなぜ?その本当の原因と知っておきたいこと

いきなりですが変形性膝関節症になると、なぜそんなにひざが痛くなるのでしょうか。

クッションが減って骨と骨がぶつかれば、それは痛くなるのが当然でしょう?と思う方も多くいらっしゃるかもしれませんね。でも実は軟骨には神経がないので、骨どうしがぶつかっても痛みを感じることはないのです。爪や髪の毛を切っても、痛いとは思いませんよね。それと同じです。

もちろん軟骨が完全に無くなるほど症状が進んでしまい、むき出しになった骨がぶつかれば別ですが、これは変形性ひざ関節症としては末期の状態です。症状がそこまで進んでいない場合は、関節のすり減りが直接の痛みになることはありません。

では、なぜ関節部分に痛みを感じるようになるのでしょうか?その原因は関節周辺の筋肉のコリや、ひざに起きる炎症にあります。

関節周辺の筋肉のコリ

ひざの周囲にある筋肉は、ひざへの負担を和らげる働きをしてくれますが、軟骨が減ってくるとそれをカバーするために大きな負荷がかかり疲労がたまってきます。

すると緊張して硬くなった筋肉は血管を圧迫し、疲労物質を作って痛みを引き起こす発痛物質を発生させます。この発痛物質が神経を刺激して、痛みを感じさせるのですね。

ひざに起きる炎症

軟骨がすり減るときには削りカスのような軟骨片が出るのですが、これらが関節の内側から関節を包んでいる関節包を刺激して、炎症を起こさせます。

するとひざが熱を持って腫れたり、修復の材料となる関節液がたまりすぎて水が溜まった状態になり、関節包や靭帯が引っ張られて痛みが生じます。

このような状態になると、筋肉が自由に伸び縮みできなくなって、ますます硬くなるばかりなので、なにもしなければひざの痛みは悪化していく一方です。

ですからひざ痛を改善するには、ひざを囲む筋肉の緊張をゆるめて柔軟にし、同時に膝を支える筋肉を強くして関節や軟骨の負担を軽くしてあげるということが大切になってきます。

ひざの痛みが進むと、仕事や家事が辛くなったり、旅行に出かけるのも億劫になったり、体を使った趣味が楽しめなくなるなど、人生のあらゆる場面で大きな影響が出ます。

女性の方ではヒールの靴が履けない、O脚が進んでスカートがはけないなど、おしゃれが楽しめないという悩みもお聞きします。つまり人生の質、クオリティ・オブ・ライフを低下させる大きな原因にもなってしまうのです。

変形性ひざ関節症は、生活習慣や日頃のケアなどで進行を防ぐことができます。ひざが痛いと思ったら、すぐにでも対策を始めてくださいね。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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