湿布の正しい使い方

湿布の正しい使い方

私たちの暮らしの中ですっかり身近な薬になっている湿布。薬局やドラッグストアで簡単に買うことができますし、病院や整骨院などで処方されることも多いですね。

ひざの痛みのケアに、日常的に湿布を貼っていらっしゃるかもしれません。今回はそんな、湿布の正しい使い方についてのお話をお届けします。

湿布の正しい使い方を覚えましょう

湿布を日常的にあまり深く考えずに使っていませんか?
飲んで効かせる内服薬と違い、体の外に貼るものなので、それほど害はないだろうと頻繁に使っているという方もよくお見受けします。

確かにちょっと見ると問題は無さそうにも思えますが、湿布も医薬品である以上、間違った使い方をしていると思わぬ副作用が出る危険性もありますので、注意が必要です。

1.傷や湿疹等の注意点

湿布は傷や湿疹のある場所に貼ってはいけません。
また、貼る前に体の汗や水分をふきとって、完全に乾いてから貼るようにして下さい。続けて貼る場合でも、貼る場所を少しずつずらして、皮膚がかぶれないように注意が必要です。

肌がかぶれやすい方は、ガーゼを1枚挟んで貼るようにすると刺激を軽減できるのでおススメです。

最近の、薬剤を含み皮膚から吸収させて治療を集中的に行えるような湿布は、皮膚から吸収した薬効成分が血中に入る事で全身にいきわたる可能性がある為、一度に何枚もこうした湿布を貼ると、薬剤の血中濃度が上がって、内服薬と同じような胃の不快感などの症状を起こすこともあるので注意が必要です。

2.お風呂に入る際の注意点

湿布の成分は剥がしてからもしばらくは皮膚に残っていて、すぐにお風呂に入るとその部分がピリピリと痛むことがあります。

特に温湿布に含まれる成分は刺激が強いので、入浴の1時間くらい前までに剥がすようにしお風呂上がりも少し時間をおいてから貼るようにして下さい。

3.直射日光に関する注意点

湿布を貼った部分が日光に当たると日光皮膚炎などの光線過敏症を起こすこともあり、湿布を貼っている時だけでなく、湿布をはがした後も4時間程度は直射日光に当てないようにする等の注意が必要です。

湿布の使用中や使用後は、直接日光にその部分が当たらないよう、衣服やサポーターでカバーするなどの対策をして下さい。

4.冷湿布と温湿布の使い分け

一般的には急性の痛みには冷感タイプを、慢性痛には温感タイプを使用すると効果的だと言われています。

冷湿布は患部を冷やして血管を収縮させ、炎症や痛みを抑える効果が期待できるとされ、打撲や捻挫など患部が腫れて熱を持っている急性期のときに使います。それに対して温湿布は筋肉がこわばって血行不良の状態の慢性期の痛みに用いると、患部を温め血流を良くして筋肉の緊張を和らげるということが言われています。

でも、実際には温湿布で患部を温めることはできません。
温かく感じるのは辛子のカプサイシンなど、皮膚を刺激する成分が入っているからで、温める効果があるわけではないのです。

冷湿布も温湿布も含まれている消炎鎮痛剤の効果で、一時的に痛みを和らげてくれるという点では同じなので、急性期に温めてしまうなどの間違いがなければ、自分が使って気持ち良いと感じる方を使って問題ないです。

今回は、湿布を使用する際の注意点を4つ程ご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

知っているようで知らなかったこともあったのではないでしょうか。せっかくの薬効成分を生かすためにも、湿布は正しく使って下さいね。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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