家庭にあるものを使って運動効率をアップ
家庭にあるものを使って運動効率をアップ
ひざ痛を少しでも良くしたいと、頑張って運動を続けている方も多いと思います。そんな方に朗報です。
なんと家庭にある”あるもの”を使って、運動効果を上げることができるということが、ある大学の実験でわかったそうです。
今回は変形性膝関節症と、運動療法の関係性についてのお話をお届けします。
どこの家庭にもある”あるもの”で運動効果を上げる
変形性膝関節症を発症したほとんどの方は、手術よりも保存療法で様子を見るという治療法を選ぶそうです。よほどひどくなるまでは、なるべく手術は避けたいというのが、多くの方が考えるところでしょう。
保存療法には薬を飲む投薬治療、体重を落とす減量、そして最も大切な運動療法がありますが、特に大きな治療効果を発揮するのが運動療法です。運動療法は症状の進行を遅らせることと、痛みなどの症状を改善させることを目的に行いますが、まじめに取り組めば大きな効果を期待することができると考えられています。
そしてその効果をより高めることができるものが、家の中にあると言うのです。どのご家庭にも普通にあるものなのですが、いったい何だと思いますか?
正解は「鏡」です。え? 鏡でなぜ? と思いませんか?
その理由は、「今ここの筋肉を鍛えている」と認識しながら運動できるからです。
鏡で鍛えている場所の様子を確認しながら運動すると、しっかりと筋肉が収縮しているかどうかや、力を入れる場所が間違っていないかなど、自分の目で確かめながらトレーニングをすることができます。
そのことによって、より効果的にそして効率的に、運動療法を進められるようになります。そしてもう一つの効果が、イメージする力を生かすことができるということです。
ある大学の実験で、健康な人の足に一時的に痛みを発生させ、どのような方法を用いるとより筋肉に力が入りやすくなるかを調べたそうです。その研究の結果わかったのが、モニターで自分の足が動く動画を見せると、足に力が入りやすくなるということでした。不思議なのは見せるのが自分の足でなくてはだめで、他人の足が動く動画を見せても、足に力は入りにくいままだったということです。
この大学ではこの結果から、自分の足が動くことがイメージできたから、足に力が入りやすくなったと考えたそうで、これと同じように鏡を見ながら運動すると、自分の筋肉に力が入っている状態をイメージしやすくなるため、より効果的に筋肉を鍛える効果が期待できるようです。
日本整形外科学会からは、変形性膝関節症の患者さんを運動するグループと痛み止めを内服するグループに分けて、どちらの方が痛みが軽減するかを調べた結果、どちらのグループにも同じ程度の改善効果が見られたという結果が報告されています。
変形性膝関節症の治療には、運動が非常に有効だということが証明された形になりました。運動の痛み改善効果をさらに上げるためにも、運動をするときは鏡を見ながら行ってみてはいかがでしょうか。
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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮