腱鞘炎を放置するとどうなる?

腱鞘炎(けんしょうえん)

腱鞘炎を放置するとどうなる?

仕事やゲームなどで長時間パソコンやスマホをした後、「指の曲げ伸ばしがちょっとやりづらいな」と感じたことは誰にもあるのではないでしょうか。

腱鞘炎の大きな原因は、指を酷使することで、一時的にでも「指の関節が固まってしまう」「指や手首の付け根が痛い」といった症状が出ることがあります。

それでも程度が軽い場合は、そのうち治まってしまいますが、次第に痛みの頻度が多くなっていき、それでもいつか治るだろうと思って放置していると、慢性的疾患になってしまうことがあります。

放置したら慢性的疾患になってしまうことも

腱鞘炎の初期症状は時々起こるものなので、気がつきにくい場合が多いです。そのため腱鞘炎とは思わずに放置してしまい、悪化してから慌てて診察を受ける方がよくいます。

そうすると、症状が改善してもまたしばらくすると痛みが再発し、それを繰り返すという慢性的疾患になってしまうこともありますので、症状が軽いうちに治療をすることが肝心です。

腱鞘炎が重症化した場合になる病気とは?


腱鞘炎が重症化すると、ちょっと手を動かすたびに激痛が走るようになります。

重症化した腱鞘炎には、次のようなものがあります。

1.狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)

腱の表面部分に痛みや腫れがあり、特に物をつかんだ時などに激痛が起こります。

また、手指が引っかかって開きにくくなるような感覚がある場合もあります。

2.ばね指(弾発指)

指の付け根に痛みや腫れがあり、自力で曲げ伸ばしがしができなくなります。

特に親指、中指、薬指に多く、起床時に強く症状が出ますが、日中は手を使っているうちに和らいでいきます。

しかし、そのまま放置して今度は関節が固くなる「拘縮」になると、治療が難しくなってしまうので要注意です。

3.感染性(化膿性、結核性)腱鞘炎

これは手指の酷使ではなく、指の怪我などによって細菌が体内に侵入したことが原因です。

炎症が腱や腱鞘に沿って広がり、指から手が腫脹して赤みや痛みが起こり、悪寒や発熱などの全身症状が引き起こされる場合もあります。

腱鞘炎を重症化させないためには安静が一番

腱鞘炎を重症化させないためには、初期症状の段階で手や指をできるだけ使わないようにし、安静にすることが大切です。

たとえば、パソコン作業中に適度に休憩を取ったり、長時間ゲームをしないようにタイマーをかけたりするのも効果的でしょう。スマホを片手で操作し続ける時にも、指や手首に強い負担がかかっていることを忘れてはいけません。

腱鞘炎は料理人やテニス選手、ピアニストがなるものなので、自分には関係ない。まだそう思っている方が多いかもしれませんが、スマホやパソコンを使う人が急増した今、それによって引き起こされる腱鞘炎が増えてきていることを忘れてはいけません。

腱鞘炎は昔よりも身近なものになり、もはや他人事ではありません。そのことを自覚して、指の関節や手首の付け根に痛みを感じたら、絶対に放置しないようにしましょう。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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