腱鞘炎の治療期間は?どれぐらいで治るのか?

腱鞘炎(けんしょうえん)

最近「腱鞘炎」という言葉をよく耳にするだけに、「たかが腱鞘炎」と思ってしまいがちではないでしょうか。

しかし、腱鞘炎は一度発症すると治るまで時間がかかり、また悪化すると通院や手術が必要になってしまうということは、あまり知られていません。

腱鞘炎の治療期間は?どれぐらいで治るのか?


腱鞘炎の痛みには個人差がありますが、自然治癒の場合、完全に痛みがなくなるまで半年くらいはかかると思った方が良いです。

腱鞘炎を治療する上で最も大切なのは、指や手首に異常を感じたら、絶対に放置しないでケアをすること。

それは、腱鞘炎は症状が軽いうちに対処するかしないかで、その後の進行度が大きく変わってくるからです。

腱鞘炎の有効な治療は休ませること

腱鞘炎の有効な治療は、痛みや違和感のある部位を一切使わず、休ませること。これに尽きます。

腱鞘炎は、その部位の使い過ぎによって炎症を起こしているわけですから、痛みや腫れが落ち着くまで安静にすることが、治療への近道になるのです。

治療方法はテーピングやギブスで固定

患部を絶対に動かさないためには、テーピングまたはギプスで固定するのが最も効果的です。

このテーピング治療は、腱鞘炎が軽症の場合に効果を発揮します。その場合、腱鞘炎の種類によってテープの巻き方が異なりますので、その点はご注意ください。

外用鎮痛消炎薬を使用した方が良い場合も

しかし、仕事や家事でどうしても手や指を動かさなくてはならないこともありますよね。

その場合は、湿布などの外用鎮痛消炎薬を使用する方法があります。市販のものもありますので、一度薬局で相談するとよいでしょう。

このようなテーピングや薬による治療をすると、うまくいけば1週間くらいで腱鞘炎の症状は改善するでしょう。

痛みが強い場合はステロイド注射や手術

しかしそれでも症状に変化がなく、また最初から痛みが強い場合には、ステロイド注射をする治療法があります。

ステロイド注射は、3週間ほどで症状が改善されることが多く、その効果は3ヶ月~半年間続きます。

ただし、再発するたびに通院して注射を打たなくてはならないというデメリットがありますので、そのストレス軽減や、腱鞘炎を完全に治療してしまいたいという場合には、最終手段として手術という方法があります。

完全治療という点では手術もおすすめ

これは、炎症を起こして腫れている腱鞘を切って開く手術で、それによって腱と腱鞘が擦れなくなり、痛みや腫れが治るというわけです。

手術の所要時間は、10~20分程度の簡単な日帰り手術です。なお、この手術が原因で手の機能に支障が出ることはほとんどありません。

腱鞘炎が再発してしまう心配がなく、すぐに完全治療できるという点では、手術が最もオススメできる方法です。

このように、腱鞘炎は最終的に手術さえすれば、治らない症状ではありません。

しかし、やはり手術に抵抗があるという場合は、症状が軽い早めの段階で、絶対安静と外用鎮痛消炎薬の両方からケアするとよいでしょう。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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