腱鞘炎になったら固定するのが一番

腱鞘炎(けんしょうえん)

腱鞘炎になってしまったら、まずは患部を動かさないことです。

患部を動かすと、そのたびに腱と腱鞘が擦れてしまうわけですから、炎症が悪化してしまいます。

ですから、一刻も早く症状をおさめるためには、安静にすることが一番大切です。

安静にするには、固定することで動きを制限しなければなりません。

症状によっては、病院で手首や指を固定する器具をつけてもらうことがありますが、その場合は簡単に着けたり外したりすることができず、日常生活で不自由を感じることもあるでしょう。

腱鞘炎で固定するならテーピングがおすすめ

そこでオススメしたいのが、テーピングです。

むしろ腱鞘炎が軽症のうちなら、装具よりもテーピングの方が効果的だとされています。

テーピングのメリットは、何よりも着脱が自由であること。

また、テープの貼り方を変えれば自分で強度を調節できますし、長さを患部に合わせてカットすることもできます。

市販のサポート用テープには、伸縮性のあるタイプとないタイプがありますので、患部の場所に合わせて選ぶことができるのも便利です。

テーピングのデメリットとは?

デメリットとしては、長時間貼っていると皮膚が被れてしまうことがあるため、敏感肌などの方は注意してください。

また、しっかりテーピングをしないとすぐに剥がれてしまったり、固定が弱くてあまり効果が得られなかったりします。そのためにも、テーピングのコツを知っておくとよいでしょう。

腱鞘炎の時のテーピングのコツ

親指の付け根をテーピングする時には、伸縮性のあるテープを使用します。そして、自分の手に合わせて、次の3種類のテープを用意しましょう。テープの幅は、5cmくらいが目安です。

テーピングする場合、3種類のテープを用意する

① 親指の第一関節から手首までの長さのもの
② 手首1周分の長さのもの
③ 親指1周分の長さのもの

テーピングをする時には、少し伸ばしながら貼っていくと、固定の強度が増します。最初にしっかりと固定しておくことが、長持ちの秘訣です。

親指の付け根をテーピングする方法

まず、手をパーに広げた状態で、親指の付け根あたりから手首の方へ①を貼ります。

次に、そのテープを上から固定するようにして、②を手首に巻き付けます。その際は、手首に出っ張っている骨の部分に強く当て、しっかり固定するようにしてください。

最後に、①が剝がれないように、その上から③を親指の付け根部分中心に巻き付けてクロスする形で貼り付けます。

多少突っ張るような感じでテーピングをする

この方法は、親指だけでなく小指や薬指など他の指でも、基本的には同じです。

動かそうとしても動かせない強度で、多少突っ張るような感じがするくらいでちょうどいいでしょう。日常生活を送っていると多少緩んできますので、固定されていないと感じたら、早めにテーピングをやり直しましょう。

市販のテープには、1人で貼れるように手で切れるタイプのものもあります。どうしても自分でやりにくい場合は、誰かに頼むといいですね。

手首に症状がある場合は、1種類でOK

手首に症状がある場合には、テープの大きさは1種類で大丈夫です。

手の甲を上にして大きく広げた時、親指のところに筋が浮き出てきますが、その筋と手首の境目を目安にして、テープを1~2周巻いて固定します。

この時、あまり強く巻きすぎると血管が締まってしまいますので、気を付けてください。

これらのテーピングは、指や手を動かす前にやりますが、まだ腱鞘炎の症状が現れていなくても、同じ動作を繰り返さなくてはならない作業をする前などに、予防策としてテーピングをするのもオススメです。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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