腰痛の応急処置には湿布が最適?

腰痛(ようつう)

腰に痛みを感じた際、とりあえず湿布を貼って様子を見るという方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

湿布を貼ること患部に心地良さが感じられ、痛みが和らぐような感覚になりますが、実際のところ「腰痛の応急処置に湿布」の効果の程は半々。

また、腰痛のタイプによって、冷湿布と温湿布の使い分けが必要になります。

今号では、腰の痛みが気になる方に向け、「腰痛と湿布」について解説しましょう。

湿布は腰痛の応急処置には効果的だが、腰痛治療にはつながらない


まず大前提として、アナタが現状、腰痛を治すために湿布を使っているとすれば、今すぐその認識を改めるべきです。

湿布は、辛い腰の痛みを和らげることはできても、腰痛そのものを治す効果はありません。

湿布の主成分である経皮吸収型鎮痛消炎剤は、炎症や腫れ、痛みを抑えてくれる優れものですが、これはあくまで一時的な対症療法に過ぎません。

湿布は症状の緩和に対応するに過ぎない

つまり、腰痛の原因にアプローチするものではなく、症状の緩和に対応するに過ぎないのです。

また、腰痛を引き起こす炎症は腰部の組織の損傷を修復するための治癒反応として生じており、これはいわば身体の正常な反応と考えることができます。

こうした治癒反応を、安易に湿布で抑えてしまうことで、かえって治癒が遅れるといった可能性もあるため、注意が必要です。

腰痛のタイプ別!冷湿布と温湿布の正しい使い分け

とはいえ、辛い痛みは一刻も早く何とかしたいもの。

困った腰痛の応急処置として湿布に頼る際には、冷湿布と温湿布を上手く使い分け、効果的に症状の緩和に努めるのが得策です。

急性の腰痛には「冷やす」が◎

ぎっくり腰に代表されるような、急性の腰痛の場合、冷湿布で痛みを抑えるのが効果的です。

急に痛みが生じた腰は炎症が生じている状態ですから、この炎症を改善するためには、温めるのは逆効果となります。

慢性的な腰痛は「温める」が基本

一方、慢性的に腰に痛みを感じるような場合は、温めて血行不良を改善させるのが良いでしょう。

そのため、選ぶべき湿布も冷やすタイプのものではなく、じんわり温感を与えるものがお勧めです。

湿布の他にも、ホットタオル等でも同様の効果が期待できます。

湿布による応急処置と併せて、実践したい腰痛対策


このように、辛い腰痛に応急処置としては症状に合った湿布を用いて症状を緩和させることができますが、そもそも腰痛の原因を取り除きたい場合には、日頃から腰痛対策の実践を心がけると良いでしょう。

急性の腰痛の場合には、瞬間的に腰に負荷がかかる様な無理な動作をしない、適度な運動で腰回りの筋肉を鍛えておく、ストレッチで腰部をほぐしておく等の対処法があります。

ただし、痛みが生じている時に腰を動かすのは逆効果ですから、痛みが落ち着いたタイミングで行うようにします。

また、慢性的な腰痛には、生活の中にウォーキングや水泳といった有酸素運動の習慣を取り入れましょう。

筋肉に対して軽度から中等度の負担をかけることで血行を促進し、筋力を鍛え、さらに腰の筋緊張を緩和させることができます。

また、長時間立ちっぱなし、座りっぱなしの姿勢は腰に負担がかかりやすくなるため、適度に体勢を変えるよう心がけるだけで、腰痛になりにくくなるのでお勧めです。

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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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