腰痛で病院に行くべき目安は1ヵ月!?

腰痛(ようつう)

少々「腰が痛いな」と感じても、すぐに受診する方はおそらく少ないと思います。

大半の場合、気になる腰の痛みは1ヵ月程度経過すると改善されるものですが、それでも腰の痛みが良くならない場合はいよいよ病院にいくことを検討された方が良いかもしれません。

今号では、腰の痛みに応じた、適切な受診の目安をご紹介しましょう。

1ヵ月以上続く腰の痛みは受診のサイン

 

日本整形外科学会の調査によると、腰痛持ちの日本人は推計約3000万人。

ひと口に「腰痛」といってもその原因や痛みの出方は多様であり、様々な腰痛を一括りにすることはできず、医師であっても原因特定が困難となるケースは珍しくありません。というのも、原因を特定できる腰痛は全体の15%ほど。

この中には、腰の神経障害による腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニア、もしくは内臓や重い脊椎の病気等が挙げられ、これらは専門医による治療が不可欠です。

一方で、残りの約85%は原因を特定しにくい非特異的腰痛と言われており、坐骨神経痛や腰痛症等が含まれ、こちらは辛い慢性的な痛みがあるにもかかわらず、原則として対症療法が主となります。

いずれにせよ、腰痛発症後1ヵ月を超えても痛みが残る場合には、一度受診して痛みの改善を図るのが良いでしょう。

1ヵ月以上長引く腰痛、注意すべき痛みのタイプとは?

腰痛の受診の目安は「痛みの発症から1ヵ月」ですが、症状が慢性的になるとつい我慢してしまう方も少なくありません。

この時点で、以下に挙げる症状がある場合には、積極的な受診をお勧めします。

お尻~脚にかけてのしびれ

お尻や脚がしびれている、しびれによって長時間歩くことが困難といった場合は注意が必要です。

その場合、単なる腰痛ではなく、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニア等の腰の神経障害が生じている可能性が高いと言えます。

これらの神経系の症状は進行性であるため、早めの対応が肝心です。

姿勢の悪化

腰痛に加え、徐々に姿勢が悪くなってきたという場合、骨粗しょう症による背骨のダメージが疑われます。

骨粗しょう症は、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。

加齢と共に発症する可能性が高くなるため、50代からの腰痛を伴う姿勢の悪化には注意が必要です。

じっとしていても痛む腰は、脊椎や内臓の重い病気の可能性も

特に何もしていなくても、横になっているだけで腰が痛む場合、痛みの原因は腰ではなく、内臓や脊椎にあるかもしれません。

腰痛を伴う脊椎の病気には、化膿性脊椎炎、がんの骨への転移、背骨の圧迫骨折等があります。

また、腰痛を伴う内臓の病気としては、慢性すい炎、腎う腎炎、尿路結石、慢性の十二指腸潰瘍、子宮内膜症等が想定されます。

いずれも早期の治療が必要となるため、じっとしていても痛む腰は早めに受診しましょう。

腰痛による受診時の問診のポイント

腰痛で受診する場合、医師に症状を分かりやすく説明するために、あらかじめ以下の内容をまとめておくと良いでしょう。

・ 腰のどのあたりが痛いのか
・ いつから痛いのか
・ どんなふうに痛いのか
・ どんな時に痛いのか
・ 腰痛意外に何か症状があるか

慢性的に続く腰痛は、1ヵ月を目安に受診し、痛みの改善、病気の治療に努めましょう。

「もう少し我慢できるから」と我慢していると、症状がどんどん悪化してしまう可能性があるため、1ヵ月を超えたら早めの受診が得策です。

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■ 腰痛には様々な原因がありますが、まれに重大な病気やケガなどが原因となっている場合があります。万が一そのような病気やケガが発見された場合は、医師の指示に従い、原因となっている病気やケガの治療に専念してください。
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【理学療法士監修】寺﨑 裕亮

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